群馬にある期間工の赴任日と健康診断03話【猫ミーム】

群馬にある期間工の新たなる旅立ちが始まる。赴任日を迎えた主人公たちは、新しい環境での生活に期待と緊張を胸に抱く。しかし、彼らの前に立ちはだかるのは、初めての健康診断。その結果が、彼らの未来にどのような影響を与えるのか。『群馬にある期間工の赴任日と健康診断』第3話。新たなる挑戦と成長の物語、お見逃しなく。

私が群馬県太田市に向かった目的地は、グランドホテルでした。到着してからは、ここで一晩宿泊し、翌日に本社での赴任手続きを行う予定です。

手続き後は、健康診断が行われ、その結果を基に私が働く工場と今後住む寮が決定されます。事前の情報によると、握力測定などの体力テストは行われるものの、実際には配属先はすでに決まっているようです。

期間工の赴任日当日

赴任日当日、私はグランドホテルから徒歩で自動車メーカーの会社に向かいました。朝早くから多くの期間工候補者たちも同じくホテルを出発しており、皆が一斉に会社へと向かう様子を見て、期間工の仕事がどれだけ人気なのかと改めて感じました。この日の朝の空気は少し冷たかったですが、新しい始まりへの期待でいっぱいでした。

北海道から群馬に一人で来たため、旅の途中では多少の不安を感じていました。しかし、ホテルで他の期間工候補者と会うことができ、何人かと顔見知りになったことで安心感が芽生えました。太田駅やその周辺を探索していたら、気づけば時間がギリギリになってしまい、赴任日に遅刻するわけにはいかないと思い、全力で会社に向かうことにしました。

本社に足を踏み入れた瞬間、その規模の大きさと清潔感にただただ驚かされました。入り口には複数の警備員が立ち、厳重なセキュリティが敷かれており、絶えず従業員や車が行き来している活気ある光景が広がっていました。

これまで働いていた小規模で厳しい労働条件のブラック企業とは比べ物にならない、まさに大企業そのものでした。

予定通りに会社に到着したとき、青い制服を着た社員が出迎えてくれました。まずは会社の概要説明が行われ、新入社員向けのオリエンテーションが始まりました。しかし、説明をしていた社員の使用していた群馬弁が私には理解しづらく、何を言っているのかほとんど分かりませんでした。

少し戸惑いながらも、説明を何とか聞き終え、次に予定されている握力測定と健康診断に備えました。

期間工の握力測定

期間工には握力測定が欠かせません。握力が強いときつい部署に配属されることが多いと聞いていました。私自身、過度に負担の大きい部署での作業は避けたかったので、測定の際はあえて力を抜いて計測しました。

結果として、左手で40kg、右手で41kgと、目立たない程度の適度な数値を記録することができました。

期間工2度目という人がいて、握力が70kg以上ある人が目立っていました。これだけの握力を持つ人は、前回の勤務で相当な力仕事をこなしていたことが伺えます。まさに肉体労働の鏡です。

期間工の健康診断

期間工の健康診断では、さまざまな経歴を持つ男性が一つの部屋に集められ、一人ひとりの体を細かくチェックします。女性は別の部屋で診断を受けるため、男性の部屋は少しむさ苦しい空気が漂っています。この様子は学生時代の体育館で行われた健康診断を思い出させ、なんとなく懐かしい気持ちにさせます。

ここにいる多くの人がどんな理由でこの仕事に応募したのか、それぞれの背景が感じられる瞬間です。

健康診断では、体型に大きな差がある人も多く、太っている人もいれば痩せている人もいましたが、体重自体は採用の合否に大きく影響していないようでした。大切なのは、健康で活動的に動けるかどうかのようです。どうやら、見た目よりも健康状態が重視されているみたいですね。

そして、私が見た限りでは、刺青をしている人は一人もいませんでした。刺青があるとその場で強制送還されるようです。

待ち時間には他の候補者たちと話す機会がありました。その中には前職で経営者や公務員だった人もおり、彼らの話は非常に興味深いものでした。期間工に応募した理由や、そうなった背景にはそれぞれ異なる動機があることを知り、人それぞれの人生の多様性に改めて気づかされました。

話を聞いているうちに、私よりも不幸な人はたくさんいる。ということが身に染みて感じられ、改めて自分自身の選択を考えさせられる瞬間でした。

期間工の配属ガチャ

ドンキホーテでまだ足りなかった生活用品を購入し、明日には配属先と寮が決まり新しい制服ももらえます。

一人で遠くへ旅立って大金を稼ぎに来るという経験は、とても新鮮で刺激的でした。全てが新しいことで、少し不安もありますが、新しい環境と挑戦の中で一歩一歩を踏み出すのが楽しみです。

聞いた話によると、期間工での自動車組み立て作業、特にトリム課とボディー課はかなりきついと言われています。トリム課では車内の細部を組み立て、ボディー課では車体の骨組みを組み上げる作業が行われるため、体力と集中力を非常に要求されます。

その日はずっと頭の中でトリム課とボディー課の話がぐるぐると回っていました。布団に入りながら「トリムとボディーだけはやめてくれ…」とつぶやきました。

配属される部署のことを考えるとドキドキして、なかなか寝付けない夜でした。